私がこの仕事を始めてから、15年。1500件以上は片づけられない人のお宅に伺っています。
「すみません。本当に汚くて…」
確かにリビングには衣類や通販の段ボール、本や雑誌や何かのプラスチック容器、ペットボトル、自治体や送られてきた書類と思しき封筒などいろんなものが散らかって空間を埋め尽くしいる。
もうしんどくて、最近は夜に帰ってくるとスイッチが切れたみたいに体が動かなくなってしまって、それでこんな風にどんどん、どんどん汚くなってしまって…

マンションの1階にはゴミ捨て置き場があり、住人は24時間利用が可能だからいつでも捨てられる。
次の休日にまとめて片づけようと先送りしているうちに、ごみがたまっていきます。
これを一人で運び出すことを考えただけでうんざりするし、ほかの住人と鉢合わせをして溜め込んだごみを見られたらと思うと恐ろしい。それても毎日生活のごみは増えていきます。
話をする相手もいない夜は、つい通販サイトを開いて気になったものを買ってしまう。
それでいて品物が届くと、箱を開けるのも億劫で放置してしまう。
ここに人を通すくらいなら死を選びたいくらい汚い。
しかも、ここだけに構ってはいられない。シンクを埋め尽くす汚れた皿やカップ、三角コーナーにも生ごみがへばりついている。もう何日前のものかわからない皿にこびりついたソースは乾ききってまったく落ちてくれない。
自分ですこしでも片づけたら、片づけの人を呼ぼう。
いやいや、次の休日にまとめて片づけよう・・・。
捨てるくらいなら売ろう・・・。一度も着ていないのだから、高く売れるかもしれない。
いつか、着るかもしれない・・・使うかもしれない・・・。
頭の中でいろいろ考えているうちに、糸がプツンと切れたように手から力が抜けてくる。
ぜったい、無理!

それより、こんなのを人に見られたら死ぬ。
時間が止まった部屋は荊のごとく、ゴミの山は侵入者を寄せ付けないためのバリケードなのかもしれない。
片づけに必要なのは羞恥心を捨てることだ。